大台ヶ原で手軽にトレッキングを楽しもう
奈良県と三重県の県境に位置している「大台ヶ原」は標高が1,600mあります。
別名「近畿の屋根」と呼ばれており、1年間に大阪市や奈良市の約3倍、平均約4,800mmの降水量があると言われています。
夏の大台ヶ原は平地よりも約10度気温が低く避暑地としても最適です。
この夏は大台ヶ原で手軽にトレッキングを楽しむのもオススメです。
トレッキングとは移動や旅行意味合いの山登りのことを言います。
トレッキングの目的は山の中を散策して無理せずに楽しむことなので、難所を行くこともなく登山とは異なった楽しみ方です。
大台ヶ原の特徴とは
大台ヶ原は東大台と西大台に分けられ、西大台は予約制のため、一般の方は東大台ヶ原自然観察路を歩くことになります。
オススメのルートは、大台ヶ原駐車場を起点として1周する約9kmで徒歩約4時間のコースです。
トイレは駐車場にしかないため、事前に済ませておきましょう。
まず駐車場からシオカラ谷吊り橋までを歩き、大蛇ぐら入り口までは急な上り坂を含めて90分ほどかかります。
この区間の観察路は岩が転がっており足場も悪いため、東大台コースでは1番ハードな観察路です。
ちょっと自信がない方は駐車場から中道を経由して尾鷲辻、牛石ヶ原、大蛇ぐらのコースを歩くといいでしょう。
シオカラ谷吊り橋のコースよりも平坦で歩きやすく、20分ほど短くなります。
シオカラ谷吊り橋の観察路を歩いていると、木が根こそぎ倒れている驚きの光景が目に入ります。
9月の台風の時期になると1日で約1,000mmの雨が降ったとの記録もあり、大台ヶ原の自然の厳しさを実感できます。
スリルと自然を味わえる
大台ヶ原を歩くうえで欠かせないのが大蛇ぐらです。
目の前には大峰山系が広がり、約1,000mの断崖絶壁で高いところが苦手な方は、思わず足がすくんでしまうほどの恐怖感があります。
大蛇ぐらの岩は滑りやすいので軍手を着用の上、腰を落とし座りながら移動すると良いでしょう。
大蛇ぐらは展望所の先端部分の安全柵まで行くと大蛇の背中に乗った感覚が味わえますが、冷や汗もセットでついてくるかもしれません。
また右手の崖には落差約250mの滝を見ることができ、爽快感を味わえます。
大蛇ぐらを通り過ぎたあとは、神武天皇像がある牛石ヶ原です。
道は平坦で歩きやすく、草原のような感覚を体験できます。
まるで牛が寝ているようなフォルムをした牛の石は、昔高僧の法力によって妖怪を封じ込めた石とも言われており、この石を叩くと雨が降るという言い伝えがあるそうです。
観察路をそのまま歩くと野生の鹿に出くわすこともあります。
奈良公園にいる鹿とはまた違った印象を受けるでしょう。
鹿の行動としては黙ってこちらを見ているときは安全確認で、下を向いて草を食べているときは安心しているので、優しく見守ってあげましょう。
昼の大台ヶ原と夜の大台ヶ原
大台ヶ原の最高点は標高1,695mの日出ヶ岳で、ここには展望台があります。
天気が良ければ海まで見ることができるので絶景ポイントです。
しかし海から湿った空気が流れて霧が発生しやすいので海が見えないこともあります。
見られた方は運が良いかもしれませんね。
最近では、大台ヶ原が天の川撮影スポットとしても人気があり、新月の夜には多くの写真愛好家が訪れています。
星空の撮影場所としては日出ヶ岳付近が人気スポットですが、クマなどの野生動物と遭遇する可能性があるため駐車場から撮影しましょう。
秋の時期は紅葉シーズンで観光客の長い列ができてしまうので、夏に行ったほうが大台ヶ原を満喫できるかもしれません。
季節によって、また時間帯によっても景色が変わる大台ヶ原にぜひ足を運んでみてください。